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スペシャル・インタビュー!

連日厳しい稽古が続いているふじみミュージカル。本公演も近づいてきた今、キヅナノートに関わってきたキーパーソン達にインタビューを試みました。果たして、キヅナノートはどのように作られてきたのか。再演はどのように仕上がるのか。じっくりと話を聞いてみましょう。

脚本家

岩本憲嗣さんインタビュー【前編】

◆岩本憲嗣プロフィール
小劇場を中心に多くの劇団で演劇公演の脚本を執筆。既上演作をwebに公開したことをきっかけに複数の小劇団から脚本執筆の依頼を受け、定期的に新作を執筆。全国小劇団・学生劇団・高校など100以上の団体で上演され人気を博しており、一部作品は海外でも上演されている。現在は演劇のみならずオーディオドラマ、映像、イベントなど多方面で活躍中。東村山出身。

キヅナノートの初演は、まさに、

忘れられない大切なものを沢山与えてくれた。

ーーー 東村山のオリジナルミュージカルとしての「キヅナノート」、今回再演となります。前回の公演を観ていただけたかと思います。どんな印象でしたか。

 

岩本さん

初演の『キヅナノート』は、自身にとっても<初のミュージカル><初の児童向け作品>など諸々初めて尽くしで不安も多くありました。

 

 

ところが、通し稽古を拝見してそんなものは一気に吹き飛び、本番を観劇した後には手元には大きな感動と自信だけが残っていました。

 

子供たちのまっすぐで真に迫る演技と歌は、普段接することの多い小劇場演劇の世界では決して得ることの出来ない新しい感激を与えてくれました。

まさに<忘れられない大切な>ものを沢山与えてくれた思い出深い公演です。

 

 

 

ーーー「キヅナノート」は児童ミュージカルながら大人も十分楽しめる内容で、日常の学校生活からふいに異世界に飛び込み、出会いや葛藤の末に大切なものに気づく物語になっています。その演目を子供たちが演じる、という点について心がけたことはありますか。

 

岩本さん

『こんな子いるよね』『そういえばこんなことで悩んだよね』『こういう喧嘩をよくしたかも』

 

今の子供たちであっても保護者の世代であっても、年代を超えて共感出来る要素をしっかりとバックボーンに据えつつも、実際に演じてもらう子供たちにとってリアリティがある演じやすい世界観を構築出来るよう苦心しました。

 

 

図書館で今実際に授業で使用される社会科の教材を見てみたり、うん十年ぶりにコロコロコミックを熟読してみたり(笑)

 

ただ、それでもやはり、今の小学生からするとズレてしまっている部分があったようで、そういった点は初演の稽古の際に気づいてもらって、こちらもとても勉強になりました。

 

 

 

ーーー登場人物の小学生達は、例えば詩郎や雅絵が子供ながらにそれぞれ胸に悩みを抱えていたり、仲良しの仲間達もやがてはお互いにぶつかり合うなかでクライマックスへと向かっていきます。そんな子供達のリアルを描いているところがとても特徴的だと感じました。その点に関しての思いを聞かせていただけますか。

 

岩本さん

スマホ、ゲーム、ネットetc、僕や保護者の方々の世代と今の子供たちの世代とでは、とりまく環境はガラっと変わっているのは間違いないことだと思います。

 

 

けれども、今も昔も人と人との関係に関してはそんなに変わらないのではないかなとも思います。

 

今の子供も昔の子供も同じように仲良しグループが出来たり、同じようなことで揉めたり、同じようにいつのまにか仲直りしたり。

 

 

そして、それは実は子供と大人でもそこまで違いはないことなのかなとも思っています。

 

仕事と学校、パっと見は全然程度の違う悩みに見えても、本質的な部分は子供だったあの日に悩んでたことに案外近いのではないかなと。

 

今の子供たちとあの日子供だった大人たち、どちらにとってもどこか共感できる部分を感じて頂けたら、そして登場人物たちのような素敵な想いを紡ぎたいと感じて貰えたならとても嬉しいです。

〈続きます!〉

後編は大きくシナリオが変更となった注目の使い魔が登場するシーンについて、さらにはクライマックスに至るストーリー展開についてまで、熱く語って頂きます。どうぞお楽しみに!!!

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