スペシャル・インタビュー!
連日厳しい稽古が続いているふじみミュージカル。本公演も近づいてきた今、キヅナノートに関わってきたキーパーソン達にインタビューを試みました。果たして、キヅナノートはどのように作られてきたのか。再演はどのように仕上がるのか。じっくりと話を聞いてみましょう。
脚本家
岩本憲嗣さんインタビュー【後編】
◆岩本憲嗣プロフィール
小劇場を中心に多くの劇団で演劇公演の脚本を執筆。既上演作をwebに公開したことをきっかけに複数の小劇団から脚本執筆の依頼を受け、定期的に新作を執筆。全国小劇団・学生劇団・高校など100以上の団体で上演され人気を博しており、一部作品は海外でも上演されている。現在は演劇のみならずオーディオドラマ、映像、イベントなど多方面で活躍中。東村山出身。
キヅナノートの「カッチョ良さ」は、
登場人物の内面の成長にこそある。
ーーー「キヅナノート」の初演から2年経ち、ふじみゅーのメンバーも受験などで入れ替わるなかで、
例えば初演で雅恵や弥生、良子を演じていた子達が中学生となり、今回の再演で敵(かたき)役となる使い魔となってステージに上がります。再演にあたり使い魔のシーンが新たにシナリオ書き下しとなりました。見どころはどんなところでしょうか。
岩本さん
使い魔たちが登場するシーンは初演時から最も変更が為されているシーンです。
初演時は使い魔以外に3人の魔将軍という大人のキャストの方にご出演頂き、それぞれに魅力ある
キャラクターや笑いを客席に届けていただいたのですが、今回は魔将軍は一人。
代わりに個性的な使い魔たちが一気に増えております。
初演をご覧の方はお分かり頂けるのかもしれないですが、使い魔・魔将軍の登場するシーンはとても
面白いシーンが多いです。
大増員した使い魔と一人になってしまった魔将軍が今度はどんな関係で登場するのか?そしてどんな
面白おかしいことをやらかしてくれるのか、是非ともご期待頂ければと思います。
ーーー岩本先生の作品創りのポリシーに『笑いも涙もカッチョイイも』というのがあると伺っています。
とくに「キヅナノート」は、この3つの要素の比重、さじ加減が非常に絶妙な印象です。
岩本先生ご自身はその点についてどう思われていますか。
岩本さん
本作で言えば特筆すべきは点、是非ご注目頂きたいのは<カッチョイイ>という点かなと思います。
普段小劇場演劇で脚本を描き下ろす場合などは、アクションが格好いい、立ち居振る舞いが格好いい
といった謂わば外見での格好よさを追及する場合が多いのですが、本作の格好よさは内面の成長にこそ
あると思っています。
子供たちが幾多の困難にぶつかり、悩み、時には道を誤りそうになりながら、一つのゴールを目指す。
物語の中で成長した子供たちがエンディングで魅せるであろう表情は、きっと凛々しさと逞しさに溢れた最高のカッチョよさだと思います。
勿論、笑いと涙もふんだんに盛り込まれていますのでこちらもご期待下さい。
ーーー4月12日の公演に向けて、現在毎週末、厳しい稽古を重ねている子供たちに伝えたいことはありますか。
岩本さん
稽古を重ねてきたこの数か月。
そのたった数ヶ月はきっとこれから大人になっても忘れ得ぬかけがえのない想い出になると思います。
登場人物、共演する仲間たち、会場にいらっしゃるお客様、そしていつかこの日を思い出した時の自分。
全員が最高の笑顔になれる素敵な作品となるよう頑張ってください。
応援しております!
ーーーミュージカルを楽しんでいるかた、演劇を楽しんでいるかた、東村山の市民のかた、いろいろなお客様に観にきていただけそうです。
最後に岩本先生から、今回公演に観に来ていただけるお客様にメッセージをいただけますか。
岩本さん
子供たちのまっすぐで真に迫る演技、多様な楽曲の数々、脚本中に盛り込まれた東村山に関するアレコレ。
本作を通して、お客様がそれぞれ何かしらの<発見>をきっと頂けるのではないかと思っております。
是非その発見を通してミュージカルと、演劇を、東村山をもっと好きになって頂けたならこんなに嬉しいことはございません。
『キヅナノート〜忘れられない大切な仲間〜』是非ともご期待下さい。
ーーーありがとうございました!
笑いと涙と感動を、児童ミュージカルという枠を超えて表現してくださった岩本さん。シナリオの随所に垣間見える熱い人柄がしのばれるインタビュー、いかがでしたでしょうか。
ひととひとのつながりに子供も大人も違いはないのでは、という視点にハッとさせられたり、公演の感想に「自信」という言葉を選んでくださったことにグッときたり。
子供たちのリアルな現実に焦点をあて、彼らの内面の成長を描くことを物語の軸に置いた意欲作ながら、使い魔や魔将軍のシーンはひたすら面白おかしいシーンに仕上がったというミュージカル「キヅナノート〜忘れられない大切な仲間〜」再演2015。
世代を超えて、沢山の方々に観ていただきたいと思っています。
どうぞご期待ください!!!